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INTERVIEWインタビュー

山梨学院大学 iCLAご紹介

10/17 火 山梨学院大学 iCLA
杉山先生、當眞先生、Matthew先生

在学生の3/4、教員の2/3が外国人という国内にいながら留学しているような環境で4年間学べる山梨学院大学の国際リベラルアーツ学部:通称iCLA。
一つの専門に絞らずグローバルビジネス・経済学、政治学、人文教養、心理学、日本研究などの、社会科学、データサイエンス、数的推理、自然科学など幅広い領域を学ぶリベラルアーツ学部であるiCLAは、“まだ具体的に何か?”は決まっていなくとも、将来英語を使って世界で活躍したい高校生に広く門戸を開く。
iCLA在学生、教授陣に話を聞いた。

(左から:iCLA 杉山先生、當眞先生、Matthew先生)

iCLAを開校された狙いや、具体的にどのようなことが学べるのか教えていただけますか?

(當眞先生) iCLAはリベラルアーツ学部です。ひとつの専門分野を身につけるというよりも、いろいろな専門分野にアクセスできる人材、専門分野を持つ人たちをひとつのチームにまとめリードできる人材を育てたいという思いで開設されました。
現代社会の問題は複雑化しており、それらの問題を解決するにはさまざまな専門知識が必要です。同時に、一つの分野ではなく、多数の専門分野の特性を理解し、それらを結び付けられる素養がとても重要になっています。また、これから日本が更に国際化し、グローバルに活躍していくためには英語は必須です。iCLAでは、さまざまな学問分野を学びながら、実践的な英語力を日本にいながら身につけられるようなプログラムを用意しています。

(杉山先生) iCLA人文教養、グローバルビジネス・経済学、政治学など四つのメジャー(専門分野)がありますが、iCLAの良いところは生徒の関心によって他のメジャーの内容も学べることです。
2024年からは心理学メジャーも新たに開設される予定です。それ以外にもデータサイエンスやプログラミングなど、生徒が必要と思う内容、興味のある科目を選択して学んでいます。またリベラルアーツ学部では、一つの科目を多面的な視点で学ぶことができます。例えば、私の専門の文学についてですが、文学はその時代の政治的、経済的状況に影響を受けます。文学そのものだけを学ぶのではなく、その背景を理解し多面的な視点で考えられるような人材を育てています。一つの分野に精通したスペシャリストではなく、それぞれの専門分野の基礎言語を理解できる人材を育てたいと考えています。

(Matthew先生) 一方でリベラルアーツのように幅広い知識を学ぶことに対して、まだ高校の生徒さんや親御さんに理解されていない部分があると感じます。ただ、企業側は変わってきています。特にグローバルビジネスを強化している企業、これは大企業だけでなく中小企業も海外に積極的に進出している企業は、我々のように幅広い知識を学ぶリベラルアーツ、さらに英語で4年間学ぶというプログラムを履修した学生に深い理解を示していることは確かです。

(田中) 最近リベラルアーツは注目されていると実感します。特にAIブームになってからそのような傾向が顕著になってきているのではないでしょうか。AIを含むテクノロジーを理解し、複雑な問題を解決していくためにそれらをどのように活用するのか、つまり幅広い知識と経験を持つ人材が求められているように思います。

iCLAでは日本にいながら留学経験ができると伺いました。日本人の学生はiCLAでどのような経験をされているのですか?

(杉山先生)日本人学生にとって、iCLAでの留学生との共同生活は大変貴重な経験になります。iCLAの生徒数は300名ほどですが、その学生比率は海外からの交換留学生も入れると日本人が21%、アジアが39%、欧州24%、北米6%、アフリカ3%、中南米7%です。クラスに日本人が1人、2人といった場合もあります。また、教員側も多国籍です。学部長は宇宙物理学の専門家でインド出身です。他にもイギリス、アメリカ、中国など様々な専門を持つ先生が世界中から集まっています。
このような環境で、iCLA1年生は寮生活が全員必須となっています。寮は女性・男性が分かれていて、各フロアには3つのユニットが、各ユニットの中には8つの個室と共有スペースがあります。各ユニットは異なる文化的なバックグラウンドを持つ生徒で構成されるようにしています。このような環境では洗面所の使い方ひとつをとってみても摩擦が生まれます。学生にとってみれば生活の中にストレスが溜まる場面がいろいろあるわけです。それらを消化していく中で学生は鍛えられますよ。相手のやり方をすべて受け入れるのではなく、また自分のやり方を押し付けるわけでもない。相手との違いを理解しながら自分の意見を英語で伝える。摩擦の中で自分が過ごしやすい環境を整えていく能力を身につけてほしいと考えています。

(田中)社会に出ると遅かれ早かれ、日本人だけの環境であってもそのような摩擦が生じる場面に遭遇しますよね。すべて我慢するともたないし、自分の意見だけを貫いてもうまくいかなくなる。自分の意見をきちんと伝えつつ、互いの違いを理解し環境を整えるというのはとても重要な経験ですね。

(杉山先生)そうなんです。例えば、ムスリムの留学生は毎年ラマダン(日中は飲食を断つ他、禁欲が課せられる期間)があります。ユニットメートに該当する学生がいると、飲食の音で寝られないという生徒がでてきます。その中で、学生自身がどのように対処し妥協点を見つけるのかが貴重な経験ですよね。多文化主義というのは、お互い全てを理解し得る理想郷ではありません。アメリカなんかをみていると、やっぱり危ういところで成り立っている。多文化主義のリアルな部分を経験してもらうことがiCLAのウリでもあります。これは大学の偏差値では測りにくい部分ですが、社会に求められる経験をiCLAは提供できていると思います。

留学生が過半を占めるクラスで、4年間英語というのは学生にとってもハードルが高いのではないですか?

(杉山先生)英語で全て学習するというのは高校生にとってはハードルが高いイメージがあるのかもしれないですね。ただ今後の日本の国際化を考えれば素晴らしい武器になることは間違いありません。日本には英語の文法や構文をきちんと勉強して早くから英検などを受験している学生は多いですが、実践的な英語力を持つ学生は少ないのが現状です。そもそも日本にいながらそのようなことが学べる機会は限られています。その点iCLAでは社会に出て必要とされる実践的な英語力を学ぶことができますよ。毎回授業の課題が多いと言っている生徒はいるようですが(笑)

iCLA入学生に対して英語力強化プログラムはありますか? また留学プログラムについても教えてください。

(Matthew先生)まずiCLAへの入学には2種類あります。
一つは特に留学生向けで、TOEFL(iBT)76、IELTS6、Duolingo95が必要になります。これらのレベルに達している学生は入学後すぐにリベラルアーツの科目をとることができます。
もうひとつは特に日本人向けです。日本人の学生の場合は英語テストがありますが、英検でいうとできれば2級レベルは欲しいと考えています。英検2級レベルか、それにもうすぐ達するといった場合は、EAE(English for Academic Excellence)という英語力強化プログラムを履修してもらうことになります。EAEはAとBというレベル分けがされており、TOEFL(ITP)スコアが460以下の場合はAからそれ以上の場合はBからスタートします。Aからスタートする場合、大体1年間かけてEAEを卒業してもらい、100%英語の授業であるリベラルアーツのクラスに進んでもらいます。ただ、このEAEで英語を学んでいる期間も卒業に必要な単位を取ることができます。EAEでは、Reading, Writing, Listening, Speaking, Content Based Learning, Test Practice の英語科目を学びます。私のような外国人講師の他に日本人講師からも学びます。加えて、Autonomous learning(自立型学習)もあります。これはEAEの生徒一人一人のゴールとそのためにクリアしないといけない課題を理解し、学生とカウンセラーが一緒に英語学習の仕方や計画を作成し、学習を進めていくという内容です。これだけの英語プログラムを日本の大学と同等の費用で学べるEAEは、海外語学留学と比べるととてもコスパが良いと言えます。

(田中)確かにこれだけの英語プログラムを用意してもらえると日本人の学生も安心ですね。海外留学では一般的に大学附属の英語学校に入ることがよくありますが、それを日本でできるとなるとコスパも考えるととても魅力的です。

(Matthew先生)またiCLAの交換留学制度はとても充実しています。日本人学生は全員、だいたいの場合は3年次に、1年間海外大学へ留学してもらいます。iCLAでは海外の約70の大学と提携しており、日本にいるときの学費のままで留学することができます。円安などを踏まえると我々の留学制度はとても魅力的だと思います。

iCLAの卒業生の主な進路について教えてください。

(杉山先生)就職先はホテル業界、IT業界、卸売・小売業、サービス業、教育関連など、多岐に渡ります。大使館に就職した卒業生もいます。また、英語を重視しグローバルでビジネスを強化している企業が多いですね。地元山梨発祥の有名な製菓会社で、海外展開を強化している企業にも採用いただいています。詳しくはiCLAのウェブサイトを見ていただければと。※卒業後の進路 - International College of Liberal Arts (iCLA)
またiCLA卒業後に大学院に進む学生も多いですね。リベラルアーツで幅広い知識を学んだ上で、今度は自分の関心のある専門分野を学ぶという生徒です。iCLAで4年間英語の授業を受けているので、海外大学院に行っても問題なく学習できているのではないでしょうか。

高校生向けに予定しているイベントについて教えてください。

(杉山先生)6、7月に1回ずつ、8月に2回(そのうち1回は2日間)、山梨学院大学全体のオープンキャンパスがあります。そのほかiCLA独自の取り組みとしてマイキャンパスツアーを通年で実施しています。これは月曜日から金曜日、祝日も含めて学生や親御さんの都合の良いときにiCLAのキャンパスを見てもらう企画です。オープンキャンパスと違って、実際の授業の風景とか、学生のリアルな生活が見られるのでこちらも人気がありますよ。
※マイキャンパスツアー問い合わせ先:iCLA キャンパス訪問・相談予約フォーム

最後に、iCLAの今後の展望と、高校生へのメッセージをお願いします。

(當眞先生)iCLAには4つのメジャーに加えて心理学を履修することができます。2024年からは心理学もメジャー化する予定です。現在これらに加えてデータサイエンスも強化しています。企業もそうですが、さまざまな社会課題の解決においてデータは欠かせません。リベラルアーツというと文系のイメージがあるかもしれませんが、データサイエンスやプログラミングなど、社会が求めるものを幅広く学べるようにしています。

高校生のみなさんは、今の段階では、将来まだ何をやりたいのか?という具体的なことが明確になっていなくても良いと思っています。ただ英語を使って将来何かしたいんだ。という強い思いがあればiCLAはとても良い学部です。私はiCLAが学生にとってのPathway(進路)を見つける場になればと考えています。そのためには他の学部と比べると全て英語で授業をするし課題も多い。将来に向けてぼんやりでも良いので強い思い、チャレンジ精神がある人に来てほしいと考えています。

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