英語が上達しない理由と國弘先生の「只管朗読」
COLUMNウィリーズ英語塾コラム
2023.08.16
英語学習の悩み
学習方法
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英語が上達しない理由と國弘先生の「只管朗読」
ここでは WiLLies Englishに来ていただいた多くの生徒様に共通する「英語が上達しない理由」と、当校のレッスンの土台となっている國弘先生の「只管朗読」についてお話しします。
1. 英会話スクールに長年通っているのに英語が上達しない理由
ウィリーズ英語塾には他の英会話スクールやオンライン英会話を経験された方が多く学習されています。
そのような方たちには共通して次のような悩みがあります。
「半年通っているけど上達している感じが全くしない。このままではダメだという実感はあるがどうしていいのか分からない。」
「講師とおしゃべりすることは楽しい。でもこれで英語力があがっているのか実感がわかない。漠然とした不安がある。」
大抵、英会話スクールに通って3ヶ月、長くて半年くらいは外国人と話す楽しみ、また上達を実感することができるようです。ただ半年過ぎた頃から上記の悩みをだんだんと持ち始めるのが一般的です。
なぜこのようなことになるのか? その答えはいたって簡単です。
(1) 一般的な英会話スクールはインプットの量が圧倒的に少ないこと。
(2) 反復トレーニングが皆無であること。
当たり前ですが、アウトプット(会話を自由にできるようになる)するには、インプット(文法、単語、フレーズなどの知識)が必要です。インプットのないところにはアウトプットは生まれません。
英会話スクールに通い最初の半年間上達を感じることができる理由は、皆さんが既に持っているインプットのいくつかがアウトプットできるようになったためです。ただ大抵の方はそのインプットの量が圧倒的に少ないにもかかわらず、インプットを増やすレッスンをせず、おしゃべり中心のアウトプットレッスンばかりしているのです。
ですので、自分の得意な単語やフレーズは毎回のレッスンで使いスムーズに使えるようになりますが、新しい言回しは全く増えていきません。
またインプットの増やし方にも問題があります。
いわゆる受験のような理解を目的とした知識の増やし方では、いつまでたっても実践で使えるようにはなりません。英語を和訳することが目的ではなく、英語を自由に使えるようになることが目的のはずです。
それにもかかわらず大抵のスクールでは、スキット(ロールプレイング型)といった方法で、少しばかりのセリフを、今日は「空港で」、次回は「ショッピングで」、そして次は「電話で」と講師と少し練習しておしまいです。
(スキットだけでは応用力が付かないばかりか、その少しばかりのセリフもインプットとして定着する前に次の単元に移ってしまいます。)
英語学習に魔法はありません。反復こそが最も重要です。この反復トレーニングなくしてインプットがアウトプットに使われることは絶対にありません。
2. 「繰り返し音読」と「英作文」なくして英語の上達はありえません
1970年、大ベストセラーを記録した「英語の話しかた」を出版し、日本の英語教育界に多大な影響を与えた國弘正雄氏は、同著の中で「只管朗読」(しかんろうどく)という英語学習法を紹介しています。
「只管朗読」つまり「ひたすら音読する」というトレーニング方法は、彼自身が中学1年の頃に英語の先生に教わった勉強法でした。彼はこの方法で中学のリーダーの教科書を愚直に学習していきます。そして英語を完璧なまでにマスターし「同時通訳の神様」と呼ばれるまでになりました。
彼の紹介する繰り返し音読はとてもシンプルです。中学レベルの教材をひたすら繰り返し音読すること。これが英語学習の基本なのです。
ただこの方法により英語を自在に操れるようになった生徒がごまんといることは事実であり、現在では多くの著名な方たちが音読の必要性を説いておられます。(大きな本屋の英語コーナーには音読教材専門の棚が用意されているほどです。)また同時通訳者養成学校でも音読は必須のトレーニングとして位置づけられています。
彼の紹介する「繰り返し音読」は常人のイメージとはかけ離れています。
彼自身、1つの文章について500回~1000回も音読を行ったと言われています。
するとどういうことが起きるか? 書籍では以下のように説明されています。
(P73 – 81)
第1段 只管朗読の必要に目覚め、テキストを決める。
第2段 テープを聞くと同時にテキストの一通りの意味を理解する。
第3段 単語レベルでの発音が一通りできるようになる。
第4段 途中でつっかえずに、曲がりなりにも最後まで発音できる。
第5段 構文的な切れ目と音読との関連が理解できる。
第6段 日本語訳に頼らずに意味が文の先頭から自然にとれる。
第7段 イメージが生き生きと実感できる。
第8段 朗読していて、自然と楽しさが感じられる。
第9段 テキストの例文の応用可能性にどんどん気づく。
第10段 自分の英語力が広がっていく可能性を実感できる。
いかがですか?
繰り返し音読の目的は決して暗記ではありません。音読の過程で単語、文法、など必要な知識は暗記していることは確かですが、音読により英語を自由に操るための土台を築き上げるのです。(6番以降などはその最たるものです。ここまでくると上達の壁を打ち壊すことも現実的になってきます。)
何度も繰り返しますが、この土台の形成なくスキッド英会話をいくらやっても応用力は身につきません。
また私の経験でもそうですが、繰り返し音読はとても楽しいトレーニングです。最初の1週間、2週間は苦しいかもしれません。 ただ習慣になると、毎朝のジョギングが壮快であるように、音読は脳だけでなく身体全身を刺激してくれる日課となるはずです。
それではこの繰り返し音読で英語の土台を築けば、英語が自由に話せるようになるのか?というと、残念ながらYesではありません。
音読で英語の土台(つまり応用力をつけるための基礎)を付けた後に、どんどん会話の引出しを増やして行く必要があります。これが英作文のトレーニングになります。
これにはいろいろなトレーニング方法があります。文法単元毎に英作文をトレーニングする。表現したい文章をどんどん英作していく。どれも効果がありますがこの英作文も反復音読は必要です。この英作文を”繰り返し音読”することで、アウトプットできる知識に変換していきます。
繰り返し音読で英語の土台を築き、英作文で会話に必要な引出しを増やしていく。
土台ができれいるぶん、ここで鍛えた英作文は応用力を発揮します。教材のセンテンスを単に暗記するのではなく、必要に応じて変化させることができてきます。
英語学習法、教材は巷にあふれんばかりあります。これまでさんざん英語で挫折してきた方々にしてみれば、「聞くだけで話せる○○」といった教材に期待を抱かずにはいられません。ただ國弘氏はこのようにいっています。(P305, 306)
「そうしたものを信じたいのなら、自分の責任でやってみればいいでしょう。ただし、私の経験とはまったく相容れません。私は辞書も引いたし、単語もせっせと覚えた。文法もそれなりに勉強したし、発音練習もした。本もたくさん読んで知識を仕入れた。それがすべてヒヤリングの力にも、話す力にも有機的に役立っている」
また、野球に例えてこうも言われています。
「ランニングも、柔軟体操も、素振りも一切不要。プロのバッティングをおさめたこのビデオを見続けておれば、ある日突然、ホームランが打てるようになる。だからこのビデオを買いなさい」なんてお話が本当かどうかということです。
これは「毎日英語レッスンを受ければ(英語環境さえあれば = 野球の道具さえ揃えれば)いつか上達するだろう」といった最近のオンライン英会話の風潮にも同じことがいえることは確かです。
3. 当塾のレッスンの進め方
國弘氏は同著の中で、英語を自在に操るには次の方法が必要といっています。(P210)
(1)「只管朗読」による自然発生的な活用自在能力
(2)自分にとって有意味な文脈で、いろいろな文法形式を実際に使ってみること
(3)たくさん英語を読んで、カードで例文を集めること
当塾のレッスンはこの3つを行うためのトレーニングを実践していきます。
GCC (Grammar Composition and Communication)
・レッスンの前半25分を使って英作文(GCC)を行います。
・GCCでは、まず宿題として出されていたセンテンスを日本語→英語に訳していきます。
・講師が日本語をスカイプで提示し、それを英語に訳します。
・ここできちんとその週のセンテンスが身についているか講師とともに確認します。
・また実際のレッスンでは、センテンスの文法や単語を使い講師からショートクイズが出題されます。センテンスを単に暗記するのではなく、応用するための訓練をします。
RLC (Reading Listening and Communication)
・レッスンの後半25分を使って音読(RLC)を行います。
・RLCでは、まず宿題として出されていたリーディング教材を講師と音読します。ここで文章の意味や、リスニング、発音のチェックを行います。
・次に、センテンス毎に講師に続いてリピーティングをします。最初は教材を開いてでも良いので、文章をきちんと把握しながら、また情景をイメージしながら感情を込めて音読します。(音読効果が全く違ってきます)
・そしていよいよ教材を閉じてリピーティングです。単純な文章でも、教材を閉じてのリピーティングが難しいことを実感していただけると思います。リピーティングの際に一つ一つの単語、文法、そして慣れてくれば情景をイメージしながら行ってくください。
・リスニングや文法、また日本人にとって難しい前置詞などの知識が自然と身についていきます。
・最後は教材について講師からクイズがされます。
英作文道場
・GCCと同様、実践で使える会話の引出しを増やすためのトレーニングです。
・レッスン外の時間を使って、自分自身で英作文に取組みます。
・まずは自分が言いたいことを日本語で書き留めましょう。そして間違いを恐れず大胆に英作文を行います。
・そうすれば講師がその文章を添削し、また別の言回しをアドバイスしてくれます。
・会話の引出しを増やすには自分が言いたいことを英語にしていくという作業が最も効果的です。このトレーニングを毎週やっていきます。
最後に
観光で楽しむために英語を使いたいというレベルであれば、既存のレッスンでも十分かもしれません。ただ、英語を自由に使いこなし、将来の可能性を広げるためには、既存のやり方では不十分です。
英語上達には魔法はありません。地道な努力が必要不可欠です。國弘氏をはじめとした多くの方がこの「音読」と「英作文」トレーニングを自ら実践し、そしてその効果を検証されてきました。
ただ私自身を含め、効果があるとは分かっていてもこのような地道で膨大なトレーニングを日々繰り返していくことは簡単ではありません。
ウィリーズ英語塾は、ここで紹介したトレーニング方法を継続するために最適な場を皆様にご提供致します。皆様にとって最高のレッスンパートナーとなれるよう、我々スタッフと、気さくで楽しく情熱溢れる担当講師が責任を持ってレッスンをご提供させていただきます。
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