英語のスラッシュリーディングとは?やり方やコツなどをわかりやすく解説|コラム|ウィリーズ英語塾
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2024.08.16
リーディング
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英語のスラッシュリーディングとは?やり方やコツなどをわかりやすく解説
英語の勉強をはじめてみたものの、教材の英文を読むのに時間がかかってしまうということはないでしょうか。この記事では、英語のリーディングスピードと理解力をアップさせる「スラッシュリーディング」を紹介します。これから英語の勉強をはじめる方や、すでにはじめていて伸び悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
英語を読む速度が向上する
複雑な文章でも読解しやすくなる
リスニング力が向上する
主語・動詞・目的語・補語で区切る
前置詞の前後で区切る
関係代名詞で区切る
準動詞の前で区切る
接続詞の前で区切る
コロンやカンマの前で区切る
はじめは細かく区切り徐々にスラッシュを減らす
現在の実力よりも少し上のレベルの教材を使う
文章構造を理解しながら進める
リスニングなどほかの勉強方法と組み合わせる
基本的な単語や文法を理解したうえで行う必要がある
和訳に時間をかけすぎない
文章を読んでからスラッシュを引かない
スラッシュを引くことが目的にならないように注意する
スラッシュリーデイングとは
スラッシュリーディングとは、英語の文章をスラッシュ(/)で細かく区切りながら、すばやく効率的に読むテクニックのことです。英文を速くかつ正確に読むために有効で、「チャンクリーディング」とも呼ばれています。
たとえば、主語・動詞・目的語・補語で区切ることで、文の構造を明確に把握できるようになります。また、前置詞の前後や関係代名詞で区切ることで、文の意味がさらにわかりやすくなるでしょう。
何度も繰り返し練習することで、複雑な文章でも英語を英語のまま理解できるようになるテクニックです。
スラッシュリーディングで得られる効果
スラッシュリーディングは、読解力の向上以外にも効果が期待できます。スラッシュリーディングで得られる主な効果は、以下の3つです。
- 英語を読む速度が向上する
- 複雑な文章でも読解しやすくなる
- リスニング力が向上する
ひとつずつ詳しく解説します。
英語を読む速度が向上する
スラッシュリーディングを英語学習に取り入れることで、英語を読む速度が格段に上がります。英語を読むことに慣れていない人の多くは、文章の前後を行ったり来たりしながら返り読みをしがちです。
その理由は、日本語と英語の文法の違いにあります。英語と日本語では語順がほぼ真逆なため、日本語的な流れに沿ってきれいな文章に訳していこうという心理が働くためです。
返り読みや単語を1つずつ訳していくのでは、英語を読むのに時間がかかります。一方スラッシュリーディングでは、意味のまとまりごとに文章を区切ることで、文頭から理解しながら読み進めていくことが可能です。
主語・動詞・目的語などを1つの単位として捉えるため、理解が深まると同時に読むスピードが上がります。英語の文法に沿った語順のまま理解できるようになり、英語を英語のまま意味を読み解く力が養われるのもメリットです。
複雑な文章でも読解しやすくなる
複雑な文章や長文となると、なかなか読み進めることができないでしょう。スラッシュリーディングを取り入れれば、「句(意味のまとまり)」をひとつの単位として区切ることで、句ごとそれぞれの意味をキャッチしていけます。
例として、「We have some issues to solve.(私たちには解決すべき課題がいくつかある)」という文章にスラッシュを入れてみましょう。
We have some issues / to solve.
この文章をスラッシュの前後で句に分けて意味を捉えると、以下のようになります。
We have some issues (私たちには課題がある)
to solve (解決するための)
このように、意味のまとまりごとにスラッシュを入れることで、英語をフレーズごとに理解しやすくなります。長い文章や複雑な文章でも、スラッシュを入れてフレーズごとに読み解いていけば、文頭から英語の語順に沿って理解できるようになるでしょう。
リスニング力が向上する
スラッシュリーディングには、リスニング力を底上げする効果も期待できます。スラッシュリーディングは、聞き取る力を養うことにも役立ちます。
リスニングでは、聞き返しができません。つまり、英文の音声を流れるままに理解していく力が求められます。
スラッシュリーディングでは、文章を意味のまとまりごとに区切って意味をキャッチしていくため、英語の語順のまま理解する「英語脳」の構築が可能です。英語の語順のまま理解する力が身につくと、リスニングで流れる英文の音声から1度にキャッチできる情報が増えます。
つまり、流れる音声に沿って理解していくことができるため、リスニングの向上につながるのです。また、文頭から意味を理解しながら聞き取ることができるようになると、英語のリズムやイントネーションにも慣れやすくなります。
結果として、ネイティブの発音やスピードにもついていきやすくなり、リスニング力が向上するのです。
スラッシュリーディングのやり方
スラッシュリーディングの具体的な方法は、以下のとおりです。
- 主語・動詞・目的語・補語で区切る
- 前置詞の前後で区切る
- 関係代名詞で区切る
- 準動詞の前で区切る
- 接続詞の前で区切る
- コロンやカンマの前で区切る
ひとつずつ詳しく解説します。ぜひ参考にし、スラッシュリーディングに役立ててみてください。
主語・動詞・目的語・補語で区切る
前置詞の前後で区切る方法も、意味をつかみやすいまとまりを見つけるポイントです。前置詞は「in」「on」「at」「with」などの単語で、名詞や代名詞の前に置かれ、その関係性を示します。
たとえば「I will meet you at the station.(駅で会いましょう)」の場合、「I will meet you (あなたに会う予定) / at the station(駅で)」とスラッシュを引くことで、文章の構造を明確に理解しやすくなるでしょう。
前置詞は単体の単語だけでなく、「動詞+前置詞」「前置詞+名詞」の組み合わせで句になっていることも多いため、その場合は前置詞句の前後で区切りましょう。とくに動詞との組み合わせで1つの熟語になっていることも多く、注意が必要です。
たとえば、「I look for my luggage.(私は荷物を探す)」の場合、「look for」で「~を探す」という意味になります。このようなパターンでは、「動詞+前置詞」の句動詞で区切りましょう。
関係代名詞で区切る
関係代名詞や関係詞、関係副詞にスラッシュを入れて区切る方法も、意味のあるまとまりを見つけるヒントになります。関係詞は主語や目的語を説明するために使われるため、関係詞で区切ることで大まかな文の意味と補足情報を分けて理解しやすくなるのがメリットです。
たとえば、「The book(この本) / that I read(私が読んだ) / was interesting.(興味深かった)」のようにスラッシュを入れると、主要な情報と補足的な説明が明確になります。この場合「that I read」の「that」が関係代名詞です。このように関係代名詞で区切ると、長い文章や複雑な構造の文章でも、簡単に理解できるようになります。
注意したいのが、関係代名詞は省略されることが多い点です。関係代名詞がどのようなものなのかがあいまいな場合には、一度復習しておくとよいでしょう。関係代名詞が理解できると、省略されている部分に気づくことができ、動詞なのか関係代名詞なのか判断できるようになるため、より理解が深まります。
準動詞の前で区切る
準動詞の前で区切るのも1つの方法です。準動詞には不定詞(to + 動詞の原形)、動名詞(動詞の-ing形)、分詞(現在分詞と過去分詞)が含まれます。これらは文中でさまざまな役割を果たしますが、スラッシュで区切ることでその役割を理解しやすくなるのがポイントです。
たとえば、「I want to eat ramen.(私はラーメンを食べたい)」という文では「I want(わたしはしたい) / to eat ramen.(ラーメンを食べること)」と区切ることで、「何をしたいのか」という主旨が明確になります。このように、準動詞の前で区切ると、その後に続く情報をすばやく把握できるのがメリットです。
接続詞の前で区切る
接続詞の前にスラッシュを入れるのも、文章をわかりやすく区切る方法の1つです。接続詞は文と文をつなぐ役割を持っており、接続詞の前で区切ることで、文章の構造が明確になります。
「and」「but」「or」などの接続詞の前でスラッシュを入れると、文のつながりが理解しやすくなり、長い文章もスムーズに読むことができるでしょう。
接続詞は関係代名詞などと違い、単語そのものの意味がはっきりしているため、文中の意味のまとまりがわかりやすくなるのがポイントです。
コロンやカンマの前で区切る
コロンやカンマの前で区切ることは、スラッシュリーディングの基本の1です。コロンやカンマは、見てのとおり文章がそこですでに区切られています。
「He bought several items: apples, oranges, and bananas.(彼はりんごやオレンジ、バナナなどいくつかの商品を買った)」という文では、「He bought several items(彼はいくつかの商品を買った) / apples, oranges, and bananas.(りんご、オレンジ、バナナ)」と区切ることで情報が整理でき、文章の意味を簡単に把握できるでしょう。
長文ほど、コロンやカンマの使われる頻度が高くなります。スラッシュを入れるだけで読みやすくなることが多いのがポイントです。
スラッシュリーディングを行う際のコツ
スラッシュリーディングの効果を高めるためには、いくつかコツがあります。コツをつかんでスラッシュリーディングを繰り返し行うことで、より効果を引き出せるでしょう。スラッシュリーディングを行う際のコツには、以下の4つが挙げられます。
- はじめは細かく区切り徐々にスラッシュを減らす
- 現在の実力よりも少し上のレベルの教材を使う
- 文章構造を理解しながら進める
- リスニングなどほかの勉強方法と組み合わせる
ひとつずつ見ていきましょう。
はじめは細かく区切り徐々にスラッシュを減らす
スラッシュリーディングをはじめたばかりの段階では細かくスラッシュを入れて区切り、慣れてくるにつれて少しずつスラッシュを減らしていきましょう。
スラッシュリーディングは英文をすばやく正しく読めるようになるテクニックで、長文を読むことの苦手意識や抵抗感をなくすことにも役立ちます。最終的なゴールは、スラッシュを入れなくても英文を読めるようになることです。
英文を読むことに慣れていない段階では、主語・動詞・目的語などに分けて細かく区切るとわかりやすくなります。慣れてくれば、そこまで細かく区切らなくてもスムーズに読めるようになるでしょう。スラッシュリーディングを継続して行い、スラッシュなしでも英文を読めることを目指してみてください。
現在の実力よりも少し上のレベルの教材を使う
英語力を上げるためには、現在の実力よりも少し上のレベルの教材にチャレンジしてみましょう。スラッシュリーディングを行う目的は、英文の読解力を上げることではありますが、英語の上達には少し難しい内容にチャレンジすることが大切です。
自分のレベルよりも少し難しい文章にチャレンジすることで、スラッシュリーディングを継続するごとに読解力が向上します。次第に複雑な文章も理解できるようになっていることを実感するでしょう。
レベルが高すぎるとわからない部分が多く、モチベーションが下がる可能性があるため注意が必要です。適度にチャレンジを続けながら、少しずつレベルアップを実感していきましょう。
文章構造を理解しながら進める
スラッシュリーディングを効果的に行うために、文章構造を意識してみてください。スラッシュリーディングでは、文章を細かく分ける際に、主語・動詞・補語・目的語・前置詞・接続詞などの役割を把握することが求められます。それぞれの役割が理解できれば、どこでスラッシュを入れるべきかが見えてくるでしょう。
たとえば、「The boy who is wearing a red shirt is my brother.(赤いシャツを着た男の子は私の弟です。)」という文章では、「The boy(男の子) / who is wearing a red shirt(赤いシャツを着ている人) / is my brother.(私の弟)」とスラッシュを入れます。この文章では「who」が関係代名詞ですが、文中での位置、役割を理解することで、文章全体の意味を把握しやすくなります。
さらに、スラッシュリーディングを継続していると、自然と文章の構造が頭に入るようになり、読解力が向上するでしょう。文章を理解しやすくするためのスラッシュリーディングの効果を引き出すためにも、文章構造を理解しながら進めることが大切です。
リスニングなどほかの勉強方法と組み合わせる
スラッシュリーディングは、リスニングや音読、シャドーイングなどほかの勉強方法と組み合わせると、より学習効果が上がります。スラッシュリーディングをはじめたばかりであれば、まずはスラッシュリーディングの文章を音声で流して聞いてみたり、声に出して音読してみたりしてみましょう。
耳が慣れてきたら、シャドーイングも取り入れてみるのがおすすめです。スピーキングの強化にもつながり、より効果が上がります。組み合わせる勉強方法としてとくにおすすめなのが、音読です。音読は続けやすいだけでなく、インプットとアウトプットをバランスよくトレーニングできます。
スラッシュリーディングで使用する教材を音読すれば、それほど負担にもならないでしょう。声に出すことでより文章を理解しやすくなり、リスニングやスピーキングのトレーニングも同時にできる効率的な勉強方法です。
スラッシュリーディングを行う際の注意点
英語の理解力、読解力を上げるのにスラッシュリーディングは効果的な学習方法ですが、正しく行うためにはいくつかの注意点があります。
注意したい点は、以下の4つです。
- 基本的な単語や文法を理解したうえで行う必要がある
- 和訳に時間をかけすぎない
- 文章を読んでからスラッシュを引かない
- スラッシュを引くことが目的にならないように注意する
効率的にスラッシュリーディングを行うためにも、ポイントをおさえておきましょう。
基本的な単語や文法を理解したうえで行う必要がある
スラッシュリーディングを行うにあたり、基本的な単語や文法を理解していることが必要です。スラッシュリーディングは、文章を細かく区切って意味を捉えるためのテクニックのため、単語の意味や品詞などの文法構造がわかっていないと、効果的に行うことができません。とくに、主語・動詞・目的語など、英文を構成する要素を理解しておく必要があります。英文がどのように組み立てられているかを理解できないと、文章をどこで区切るか見極めるのが難しくなるためです。
和訳に時間をかけすぎない
スラッシュリーディングでは、和訳に時間をかけすぎないようにしましょう。スラッシュリーディングの目的は、英語を英語のまま理解する力を養い、読解力を上げることです。
和訳に時間をかけすぎてしまうと、本来の目的から離れてしまいます。時間をかけすぎてしまうのは、きれいな日本語にしようとしてしまうためかもしれません。
スラッシュリーディングの目的を果たすためにも、日本語の流れや体裁にこだわりすぎないことがポイントです。文章の意味さえつかめれば、ざっくりとした和訳でもかまいません。英文をすばやく理解し、英語のまま意味を捉える練習だということを念頭においてスラッシュリーディングにのぞみましょう。
文章を読んでからスラッシュを引かない
スラッシュリーディングを実践する際には、スラッシュを引くこと自体が目的にならないように注意しましょう。スラッシュをどこに引くか悩み、次第にスラッシュを引くことだけに気を取られてしまうことが初心者にありがちです。
スラッシュはあくまで文章を区切り、理解を助けるためのツールであることを覚えておきましょう。スラッシュを引くことに集中しすぎると、本来の目的である「すばやく効果的に読む」ことからそれてしまう可能性があります。
スラッシュを引いて満足してしまわないためにも、スラッシュを引くときには、次に文章の構造を意識し、次に来る内容を予測しながら読み進めるのがポイントです。
適切な方法でスラッシュリーディングの効果を高めよう
スラッシュリーディングは、正しい方法で行うことで効率よく読解力を高められるテクニックです。リスニングではネイティブスピーカーのスピードについていけないなどということもないため、比較的モチベーションを保ちながら続けやすく、短時間で慣れやすい方法といえるでしょう。
さらに、音読などと組み合わせるとより効率的に学習効果を上げられます。より多角的に英語力を向上させるには、オンライン英会話がおすすめです。リーズナブルでスケジューリングしやすいため、継続しやすく、着実に英語力を伸ばせます。
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