ディクテーションとは?英語学習における効果ややり方を解説
COLUMNウィリーズ英語塾コラム
2024.07.09
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ディクテーションとは?英語学習における効果ややり方を解説
「ディクテーション」とは、聞き取った英語を書き取る勉強法のことです。聞き取り力とアウトプット力を同時に向上できるため、おすすめの勉強法のひとつです。正しい方法で実践すれば、効率的に英語が上達するでしょう。ここでは、ディクテーションの効果をはじめ、やり方やコツを紹介します。初心者でも無理なくできる方法のため、ぜひ試してみてください。
目次
英語を聞きとる力が向上する
英語をアウトプットする力が向上する
1.全文の音声を聞く
2.適宜音声を止めながら書き取りを行う
3.スクリプト全文を確認しながら添削する
4.聞き取れなかった部分やその原因を分析する
5.聞き取れなかった部分を繰り返し音読する
英単語やフレーズ・熟語を知らない
文法知識が足りない
発音が聞き取れない
音の変化が聞き取れない
音声のスピードについていけない
スペルミスや間違いを重く受け止めない
自分のレベルに合った教材を使用する
短時間で良いので長期的に継続して行う
他の学習方法と合わせて行う
ディクテーションとは
ディクテーションとは、英語の音声を聞き、音声の内容を書き取る学習方法です。「聞く」「書く」という2つのスキルを同時に鍛えることができるため、総合的な英語力の向上に役立つでしょう。
ディクテーションは、穴埋めをする方法と全ての文章を書き取る方法の2種類あります。穴埋めする部分だけに集中すればよい穴埋め形式に比べ、全文を書き取るほうが効果が高いとされます。最初は穴埋めから始め、慣れてきたら全文を書き取る方法を試してみましょう。
ディクテーションは、ただ書き取るだけでなく、聞き取れなかった部分や間違えた部分を分析するものです。なぜ聞き取れなかったのかを理解することで、より効果的に学習を進められます。
ディクテーションとシャドーイングの違い
ディクテーションと似た学習方法に、「シャドーイング」があります。英語学習を始めたばかりの方のなかには、違いがよくわからないという方もいるでしょう。
英語の音声を聞き、その内容を書き取るディクテーションに対し、シャドーイングは、音声を聞きながらほぼ同時にその内容を復唱する練習方法です。
やり方は異なりますが、ディクテーションもシャドーイングもリスニング力だけでなく、スピーキング力やライティング力の向上が期待できます。
ディクテーションの学習効果
ディクテーションは、英語学習において効果的な学習方法です。具体的な効果には、以下の2つが挙げられます。
- 英語を聞きとる力が向上する
- 英語をアウトプットする力が向上する
総合的に英語力を高められるディクテーションの効果を詳しく解説します。
英語を聞き取る力が向上する
ディクテーションの効果のひとつが、英語の聞き取り力の向上です。英語を聞きながら文章を書き取ることで、これまで聞き流していた音も聞き取る意識が高まります。同じ文章を繰り返し聞くことで、単語やフレーズを自然と覚えられるようになるでしょう。
ディクテーションを繰り返し行うと、リエゾンなどの英語特有の音のつながりや変化に慣れていきます。「読める」だけの英語から、「聞いて理解できる」英語になっていくでしょう。
ディクテーションで聞き取れなかった部分の答え合わせをすることで、自分が聞き取れなかった部分など、リスニングの弱点を見つけられるのもメリットです。
英語をアウトプットする力が向上する
リスニングした英文を書き取る作業であるディクテーションは、リスニング力だけでなく、スピーキングやライティングなど、英語をアウトプットする力の向上にも効果的です。
聞き取るために内容を推測するクセがつくようになるため、聞き取れなかった単語や次に来る単語を推測する力が自然と養われます。また、ディクテーションを通じて英文を作る練習を行うことで、スピーキングやライティングなど、英語をアウトプットする力の向上も期待できます。
正しいスペルを覚えられるのも、ディクテーションのメリットです。聞き取ったままに書いた文章の答え合わせをする際に、スペルの間違いにも気づけます。何度もディクテーションを繰り返すうちに、語彙力も身につくでしょう。
ディクテーションの適切なやり方
自分の弱点を知り、効率よく英語力を伸ばすためには、正しい方法でディクテーションを行うことが大切です。
ここでは、ディクテーションの効果を最大限に引き出すための、以下の5つのステップを紹介します。
- 全文の音声を聞く
- 適宜音声を止めながら書き取りを行う
- スクリプト全文を確認しながら添削する
- 聞き取れなかった部分やその原因を分析する
- 聞き取れなかった部分を繰り返し音読する
ディクテーションは初心者にも効果的な学習方法のため、ぜひ参考にしてみてください。
1. 全文の音声を聞く
ディクテーションを始める前に、全文の音声を聞きます。まずは聞くことに集中し、大まかな内容をイメージすることがポイントです。どのような内容なのかをある程度把握することで、ディクテーションをする際に聞き取れなかった部分を推測しやすくなります。
ポイントは、以下のとおりです。
- 全体的な内容を把握する
- 知らない単語やフレーズがあるかどうかを確認する
- 文法構造や発音を意識してみる
全文の音声を聞くことで、内容の難易度や自分の理解度を把握できます。大まかな内容がわかれば、ディクテーションがスムーズに進められるでしょう。
2.適宜音声を止めながら書き取りを行う
大まかな内容をつかんだら、いよいよディクテーションの開始です。まずは適宜音声を止めながら少しずつ聞こえた音声を書き取ります。数分の音声を一度ですべて書き取るのは、ネイティブスピーカーでも困難です。初心者であれば、1文ずつ音声を止めて書き取る方法をおすすめしますす。慣れてきたら、段落ごとに音声を止めるなど、レベルに合わせて調整してください。
単語ごとに音声を止めるのは、おすすめできません。単語ごとに区切ってしまうと、全体のリズムや音声変化、イントネーションはもちろん、意味も理解しにくくなるためです。
聞こえた文章の意味を意識しながら、書き取ります。一つひとつの単語を聞き取るだけに集中してしまうと、文章全体の意味をつかみにくくなるかもしれません。推測が難しくなり、ディクテーションの効果が薄れてしまうため注意が必要です。
どうしても聞き取れない部分があれば、理解した内容で文を書いてみましょう。そして、再度音声を聞いてみるのがおすすめです。
3.スクリプト全文を確認しながら添削する
ディクテーションが終わったら、書き取った内容とスクリプトを照らし合わせ、答え合わせをしましょう。間違っていた部分や聞き取れなかった部分をチェックします。どこが間違っていたのか、聞き取れなかったかを把握することであとから復習できます。
スペルのチェックも行い、もし間違えていたら覚え直すようにしましょう。
4.聞き取れなかった部分やその原因を分析する
この段階では、間違いの原因を分析することが重要です。よくある間違いの原因には、以下のようなものが挙げられます。
- 知らない単語・表現だった
- スピードが速すぎて聞き取れなかった
- 知っている単語なのにネイティブの発音と認識が違った
- 文法がわからなかった
- 単語と単語のつながりの音の変化が聞き取れなかった
半分ほど聞き取れなかったのであれば、自分のレベルに合っていない可能性があります。音声のスピードを変えるか、機能がなければ教材の見直しを検討しましょう。
5.聞き取れなかった部分を繰り返し音読する
聞き取れなかった部分があれば、その部分だけを何度も繰り返し音読します。リエゾンなど英語特有の音のつながりや変化、イントネーション、リズムに慣れていないことが原因で聞き取れなかった場合に効果的です。
発音はもちろん、リズムやイントネーションにも注意しながら練習することで、リスニング力だけでなくスピーキング力も向上します。
ディクテーションで聞き取れない主な原因と対処法
ここからは、ディクテーションで聞き取れない主な原因と対処法を詳しく解説します。ディクテーションで聞き取れない原因は、以下のとおりです。
- 英単語やフレーズ・熟語を知らない
- 文法知識が足りない
- 発音が聞き取れない
- 音の変化が聞き取れない
- 音声のスピードについていけない
原因と対処法をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
英単語やフレーズ・熟語を知らない
ディクテーションで聞き取れない単語・フレーズ・熟語が出てきた場合、単純に知らないことが考えられます。知らない単語や表現は、音声を何度聞いても聞き取れないかもしれません。
このケースで必要なのは、まずスクリプトでの確認と、聞き取れなかった単語やフレーズの意味、発音の確認です。単語帳やフラッシュカード、単語学習アプリなどを活用して、繰り返し練習することで、語彙力を高められます。
あまりにも知らない単語やフレーズ、熟語が多い場合は、教材のレベルが自分に合っていない可能性があるため、見直しを検討しましょう。
また語彙力強化も重要です。ただ人間は忘れる生き物です。単語学習をしたにもかかわらず単語を忘れても落ち込まないように。ドイツの⼼理学者であるエビングハウスが提唱した「忘却曲線」によると、人間は一度に時間をかけるよりも、ある程度時間をおいて何度も反復して記憶学習したほうが効果的で、⻑期的に記憶できるとされます。単語学習も3日連続して音読し、あとは1週間後、2週間後と時間をおいて確認してみましょう。
またディクテーションで聞き取れなかった部分を繰り返し音読する(アウトプットする)ことで、知識を定着できるでしょう。新しい知識を吸収することも必要ですが、覚えたことを音読で確実に定着させてることも必要です。
文法知識が足りない
文法知識が足りないと、ディクテーションをしても文章や単語の推測が困難です。英文の意味を正しく理解したり、書いたりすることも難しいでしょう。
文法は、英語の文を構成する上で必要な基本的ルールです。時制や主語と動詞の一致、前置詞の使い分けなどを理解していないと、正確な聞き取りや書き取りができません。ディクテーションを効果的に行うためには、基本的な文法知識が求められます。
無理せず中学レベルの英文法書を使ってみましょう。またディクテーション用の教材も、中学・高校レベルのものからスタートすることもおすすめです。文法知識を強化しながらリスニング力も強化していきましょう。
発音が聞き取れない
ネイティブの発音に聞き慣れていないと、知っている単語でも聞き取るのが難しいことがあります。とくにアクセントの位置を間違えて覚えていると、聞き取れません。
発音が聞き取れない原因には、母音や子音の違いを区別できないことが挙げられます。これを克服するには、似た単語の音の違いを理解することが大切です。具体的には、マザーグースの早口言葉などでの練習をおすすめします。
She sells sea-shells on the sea shore;
The shells that she sells are sea-shells I’m sure.
So if she sells sea-shells on the sea shore,
I’m sure that the shells are sea-shore shells.
まずはネイティブの発音を繰り返し聞いてみましょう。何度か聞いているうちに、似ている単語の微妙な音の違いに気づくようになります。
音の変化が聞き取れない
スクリプトを読むと理解できるのに、音声になると聞き取れないということはありませんか。この原因には、リエゾンやリダクションなどの英語特有の音や発音の変化などに慣れていないことが挙げられます。
音声になると音と音のつながりやイントネーション、ネイティブのリズムや強弱に慣れていないため、違う音に聞こえるのです。
たとえば、日本語にはない「th」の音は、慣れないうちは聞き取るのが難しいでしょう。また、語尾の発音が弱まったり、破裂したりする音の変化も初心者にとっては聞き分けが難しい原因のひとつです。
知らない発音については、フォニックスや発音記号を学び、練習しましょう。音の変化については、ネイティブスピーカーのモデル音声を聞いて、その特徴をつかむことが大切です。
音の変化を強化するには、オーバーラッピングやシャドーイングを取り入れるとよいでしょう。最初はネイティブの音声を繰り返し聞くことで慣れていき、オーバーラッピングやシャドーイングにチャレンジしてみるのがおすすめです。
音声のスピードについていけない
ネイティブスピーカーの話すスピードは、初心者にとっては速く感じるかもしれません。ついていけずに聞き逃してしまうと、内容を理解することが難しくなります。
音声のスピードについていけないのは、リスニングの練習不足が原因です。英語を聞き慣れておらず、聞こえてくる音を頭の中で処理しきれていません。
このような場合は、再生速度を調整できるアプリやソフトを活用して、ゆっくりとしたスピードで聞きましょう。徐々にスピードを上げていくことで、リスニング力の向上も期待できます。同じ教材を繰り返し聞くことも効果的です。
教材のレベルを下げて、簡単な単語だけでも毎日聞いてみるのもよいでしょう。ただ単に聞き流すだけでなく、音読するなど声に出してアウトプットすることが大切です。
ディクテーションを行うときのコツ
ディクテーションを効果的かつ効率的に行うには、コツがあります。ディクテーションを行うときのコツは、以下のとおりです。
- スペルミスや間違いを重く受け止めない
- 自分のレベルに合った教材を使用する
- 短時間で良いので長期的に継続して行う
- 他の学習方法と合わせて行う
ディクテーションを習慣化させ、継続するためにもコツを掴んでいきましょう。
スペルミスや間違いを重く受け止めない
ディクテーションを行うときは、スペルミスや間違いを気にしすぎないようにしましょう。まずは、聞き取った内容をできるだけ正確に書き取ることを意識するのが重要です。スペルミスや間違いはあとで確認し、正しく覚えていけば問題ありません。
スペルミスや間違いを気にしすぎてしまうと、モチベーションが下がり、続けることが難しくなります。間違えても気にせず、どんどん書き取ることが、ディクテーションの効果を高める秘訣です。
自分のレベルに合った教材を使用する
ディクテーションを行う際は、自分のレベルに合った教材を選ぶことが大切です。難しすぎる教材を選んでしまうと、聞き取れない部分が多くて挫折してしまう可能性があります。逆に、簡単すぎる教材では、物足りなさを感じてしまい、モチベーションが維持できません。
自分のレベルに合った教材とは、「一部聞き取れない」くらいのレベルです。初心者の方は、短い文章やゆっくりとした速度の音声から始め、徐々に難易度を上げていきましょう。ニュース・ドラマ・映画など、興味のある分野を選ぶと楽しみながら学習を続けられます。
短時間で良いので長期的に継続して行う
ディクテーションは、毎日長時間行う必要はありません。1日10分でも、継続して行うことが大切です。慣れないうちは、たとえ10分でも負担に感じるでしょう。そのようなときには、1〜3分程度のリスニング音源をディクテーションし、答え合わせを行うだけで十分です。通勤時間や休憩時間など、スキマ時間を活用すれば、ディクテーションを習慣化できます。
継続することで英語に触れる機会が増え、総合的な英語力の向上を実現可能です。短い時間で集中して取り組むことで、飽きずに楽しく学習を続けられます。
他の学習方法と合わせて行う
他の学習方法と組み合わせることで、より高いディクテーションの効果が得られます。たとえば、単語学習や文法学習と並行して行うと、聞き取った単語や文法を定着可能です。
また、シャドーイングや音読などのアウトプット練習と組み合わせることで、スピーキング力や発音の向上にもつながります。
ディクテーションで聞き取れなかった部分を他の学習方法で補うことで、より効率的に英語力を高めることができるでしょう。
適切なやり方を知って学習効果を高めよう
ディクテーションは、正しい方法で行えば、リスニング力や単語力、文法力など、総合的な英語力の向上に役立つ効果的な学習方法です。
ぜひこの記事で紹介した内容を参考に、ディクテーションにチャレンジしてみましょう。最初は難しく感じるかもしれません。諦めずに継続することで、成果を実感できるはずです。
また、同様にシャドーイングも行うと、より効果を高められます。シャドーイングを効果的に行うなら、ウィリーズ英語塾の無料アプリがおすすめです。リスニング力、スピーキング力に加え、語彙力や速読力も鍛えます。ぜひ下記よりダウンロードしてみてください。